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ベトナムで音楽の魅力を
再発見 音楽を通じ両国の
更なる交流を

三上 ナミ(みかみ なみ)
ミュージシャン

三上 ナミ(みかみ なみ)

ノスタルジーを感じさせる昭和歌謡を得意とし、美しい歌声と豊かな表現力でベトナムの音楽シーンを盛り上げる三上ナミさん。ミュージシャンとして歌唱・作詞・作曲を行うほか、舞台女優、YouTuber、画家として個展も開催するなどマルチな才能を発揮。日越関連イベントでも数々のパフォーマンスを披露している。

ベトナムに魅せられ移住を決意
思いがけない新たな自分との出会いも

どこか懐かしいメロディに心踊る朗らかな歌詞。ホーチミン市を拠点とする日本人ミュージシャン・三上ナミさんの楽曲『そうだ!ベトナムに行きましょう!』が、日越外交関係樹立50周年を記念して在ベトナム日本商工会議所が主催した友好ソングコンテストで、準優秀賞を受賞した。ベトナムの楽しさと魅力を生き生きと伝える楽曲で、両国が共に手を取り合う明るい未来を彷彿させる。そんな三上さんがベトナムを訪れたのは、友人との旅行がきっかけだった。

「約35ヶ国を訪れたことがあり、次の旅先を選んでいた時に、偶然見つけたピンク色のタンディン教会に一目惚れ。それまでフォーくらいしかベトナムを知らなかったのに、最初の旅がとても楽しくて。その気持ちを形にしたいと作ったのが『そうだ!ベトナムに行きましょう!』なんです」

すっかりベトナムの虜になった三上さんは、約1年後の2017年に本格的に移住を果たす。現地での音楽活動は難しいと、あくまで当初は趣味に留めるつもりだった。しかし、日系コミュニティ内で開催されたライブを機に活動を再開。以来、飲食店の周年記念や日系企業や団体が開催するイベントで、オリジナルからカバー曲まで、その華麗な歌声を披露している。

「昔から古いものが好きで、日本では昭和歌謡やアングラ演劇をメインに活動していました。ただ、ベトナムにある独特のカラっとした雰囲気からか、それら以外の感性も面白いと感じるようになりました。実は『そうだ!ベトナムに行きましょう!』も以前の自分の音楽とは全く違うスタイルなんです。レトロやアングラ以外にも違う側面が自分にあった。ベトナムに来たことで新しい自分に出会えた気がします」

音楽は国境を越える
日越問わず身近な人々を楽しませたい

出演するイベントでは時折、ベトナムの人々が主な客層となることもある。「音楽で世界を動かすとか、日越の架け橋になるとか、そんな器ではない」と三上さんは言うが、音楽への想いと熱量はベトナムに対しても同様だ。

「私が歌うのはやはり日本語の曲が主になります。でも、ベトナムの人々を前に世界的に人気が高いシティポップの楽曲を歌ったときは、ベトナムの子ども達も一緒にステージで飛び跳ねたりと、とても喜んでくれました。時にはステージを見たベトナムの方から、『今の曲は何?』と聞かれることも。音楽に国や言葉の垣根はないと言われますが、私の音楽活動がベトナムの人々に受け入れて貰えたことはとても嬉しい。活動を続けてきて良かったと思わせてくれました」

三上さんは歌うだけでなく、作詞や作曲も行う。中でも近年注力しているのがベトナム語での楽曲作りだ。日本語とベトナム語をとりいれたオリジナル曲で、2023年度中の発表を目指している。
「全ての歌詞をベトナム語で書いたものではありませんが、曲も既にできています。もちろん多くの人に聞いてもらいたいのですが、日本人でもベトナム人でも、まずは周囲の身近な人々に楽しんでもらえれば嬉しいですね」

音楽で繋ぐ日越の輪
互いに刺激し合い新しい化学反応を

ベトナムでは日本と比べ、ライブハウスなどバンドとして活動できる本格的な場所が少ない。レストランやバーでのBGMとしての演奏が一般的で、活動も制限されやすい。今でこそ様々なイベントに呼ばれるようになったが、来越当初は出演する場所探しにも苦労した。

「ただ、路上カラオケなど音に寛容な文化があるからか、アコースティックギターのみなど簡易な構成でのライブは行い易い面もあります。これまでは日系の店舗やイベントが活動の中心でしたが、今後はベトナム人経営のカフェへの出演も開拓したいですね」

同時に現地ミュージシャンとのコラボレーションにも興味を抱く。例えば日本人と現地の音楽シーンやアートシーンを融合させたイベントの開催もそのひとつだ。

「一緒にバンドを組んでもいいし、対バン形式や音楽コンテストでもいい。互いに刺激しあうことで、新しい化学反応が起こるかもしれない。そんな企画に携われれば嬉しいです。そして日本人がベトナムの曲を知り、ベトナム人が日本の曲を知る、そんなきっかけにもなれれば良いですね」

東京都生まれ。アイドルやポップシンガー、作詞家として日本国内外で活動後、芸名を「三上ナミ」へ改名。オリジナル曲や昭和歌謡を中心に歌手・女優としてライブハウスや舞台で活躍する。ベトナムでは音楽のほか、演劇ユニット「からくり実験室」や、現地の生活や心象風景を描く画家、現地の生活情報を伝えるYouTuberとしても活動の幅を広げている。

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