Japan Embassy

Header

在住者目線で日本の若い人たちに
ベトナムのおもしろさを届けたい

松本 一樹(まつもと かずき)
ユーチューバー

松本 一樹(まつもと かずき)

堪能なベトナム語で繰り広げるYouTubeチャンネル『旅するフォー』で人気のYouTuber松本一樹さん。街で声をかけた人たちとの会話や、他のYouTuberとの共同企画などで人気を呼び、現在チャンネル登録者数は11万人を超える。ベトナムに行こうと決めたきっかけは、韓国で食べた1杯のフォーだった。

独学で習得したベトナム語で
道行く人に声をかける

専門学校を卒業してからずっとフリーターとしてリゾートや農園でアルバイトをし、その後は旅行に出ていた松本さん。ワーキングホリデーで韓国にいた時に、ベトナム語が流暢な韓国人女性と知り合ったことがベトナム行きのきっかけとなった。

「彼女のお父さんがハノイでホテルを経営しているという話題から、はじめてベトナム料理店に行きフォーを食べました。それが美味しくて、2015年にハノイへ旅行に行ったんです」

ハノイではずっとフォーを食べていたという松本さんは、現地の人と交流するために歩道橋の上で「ベトナム語を教えてください」と書いたスケッチブックを広げてみた。

「大学が多いエリアだったこともあり、学生たちが次々と話しかけてくれて。フレンドリーだなと思いました」

日本に帰国後、やはり1回ベトナムに住んでみようと思い2017年に再びハノイへ。日系の飲食店で働きながら、ベトナム語の勉強と動画づくりを始めた。

「ベトナム語は1ヶ月だけ学校にいきましたが、あとは友達に聞いたり言語交換アプリを使っての独学です。動画を始めたのは出勤前に『これからは動画の時代が来る!』というネット記事を見て、軽い気持ちで始めました」

最初はとくにテーマもなく、「日本人男性の特徴とは」「ベトナム人女性をどう思うか」のような内容をベトナム語で発信。『アンカリルーム/aNcari room』の中谷茜理さんと行った、日本人同士がベトナム語で話す企画で注目を集め始めた。その後は、路上の人たちにベトナム語で声をかけていくのが松本さんのスタイルとなった。

「始めたばかりの頃は緊張しすぎて、ホアンキエム湖を1周して誰にも話しかけられずに帰ったこともありました(笑)。しばらくして気付いたのは、自分が思っているほどベトナムの人は緊張していないということ。動画を撮られることに慣れていますし、しかも話すのもうまい。他人のとの壁が低いんだなと感じました」

ベトナム人インフルエンサーは
スマホ1つですべてを完結

日本人やベトナム人のYouTuberやTikTokerとの交流も増え、互いの撮影を手伝うこともある。
「僕はスマホで撮影して、マイクは予備を含め2本を使いますが、ベトナム人の子たちは機材を何も用意せず、スマホ1つだけで全部撮るんです。彼女たちには『声が小さすぎる!』と注意されます。大きな声ではっきりしゃべるから、マイクはいらないそうです(笑)」

路上で撮影をしていても、突然道行く人に声をかけてもトラブルになったことはない。
「外国人がベトナム語で話しかけるからこそ相手をしてくれているのだと思っています。怒られたこともありません。基本的にベトナム人の方は外国人からの突然のインタビューにも気さくに答えてくれますし、逆に僕が日本やベトナムでの生活について聞かれることもあります」

そんなベトナム人の他人との敷居の低さを実際に目の当たりにしていくうちに、松本さん自身も見知らぬ他人にあまり壁をつくらなくなったと話す。

「道で誰かが困っていたら、自分から声をかけられるようになりました。僕がバイクを運転していた時に、道端で知らないおばあちゃんから『ちょっとそこまで乗せてって』と頼まれて、乗せてあげたこともあります。他人に警戒しすぎないようになりましたし、ベトナム人に間違られるようにもなりました(笑)」

夢と希望があるベトナムに来て
先入観の先を見てほしい

個人的な話になるが、と前置きしながら、松本さんはベトナムの情報を発信し続ける理由の1つを教えてくれた。

「共通の友人が亡くなり、同級生がすごく落ち込みふさぎ込んでいたんです。そこで出てきた言葉が『そういうときはベトナムに来たらいいんじゃないかな』でした」

1年以上同じ場所にいたことがなかったという松本さんが、この地に5年以上もいるのは、「夢と希望があるベトナムが好き」だからだと言い切る。この国に居場所を作ってもらったという想いもある。

「日本には、日本しか見えていない人がすごく多い印象があります。ベトナムはいい意味で考えすぎないし、考えすぎるよりまず行動が基本。ベトナム人もすごく日本に興味をもってくれていますし、人とのつながりが多い国だと感じます。一言でベトナムといっても、世代や出身地によって考え方は全く違う。ベトナムのリアルな生活や情報に触れることで、今までの人生で培った先入観を壊して、その先の未来を見ていってほしいと思うんです」

専門学校を卒業後、フリーターとして各地を転々とし、2017年にハノイへ。飲食店で働きながらユーチューブ(YouTube)向けの動画作成を始め、現在はベトナムの市井の人へのインタビュー動画を中心に発信。ベトナム語版ユーチューブチャンネル『旅するフォー松本一樹』はフォロワー数11万人以上。

最近更新されたインタビュー

濱田恵理子(はまだ えりこ)

濱田恵理子(はまだ えりこ)

画家

Read more >
レ・ラン・ゴック

レ・ラン・ゴック

VTV4日本語番組編集者・アナウンサー

Read more >
ごっち

ごっち

ブロガー/「ベトナムリアルガイド」運営

Read more >